接近禁止(接触禁止)の誓約書や契約書、合意書の相談が定期的にあります。
こんなケースで接近禁止を約束させたい
・夫と不倫相手
・自分と不倫相手
・ストーカー系の相手
・元交際相手、元婚約者
・迷惑な隣人、元職場関係者
接近禁止の書類のサンプル、テンプレート
夫と不倫相手のケースでよくある接近禁止の書類のサンプルです。
第1条
甲は、乙の夫である丙と令和◯年◯月から令和◯年◯月◯日まで、丙が既婚者であることを知りながら約20回の肉体関係を持った事実を認める。
第2条
甲は、丙と今後一切、不貞行為をしない。これに反した場合、甲は乙に対し、違約金として1回につき、金◯万円の支払い義務を認め、直ちに一括にて支払う。
第3条
甲は、丙に対し、面会、電話、メール、ショートメール、SNSなど手段方法を問わず、今後一切、接触をしない。これに反した場合、甲は乙に対し、違約金として、1回又は1通につき、金◯万円の支払い義務を認め、直ちに一括にて支払う
第4条
甲は、通信機器類から丙の電話番号、メールアドレス等の連絡先、通信内容、写真等のデータを全て消去した。その他、丙に関するもの(手紙、写真等を含む)を全て破棄した。
第5条
甲は、丙の動画、画像、写真などをすべて破棄した。万が一、甲が私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(通称、利リベンジポルノ防止法)に違反したと認められた場合、甲は乙に対し、慰謝料◯万円を支払うものとする。
一般的にはこんなところでしょうか。その他、慰謝料などが発生していれば慰謝料や求償権についても記載すると思います。
場合によっては
・相手のいつまでに仕事を辞めること
・本人や家族のお店に客としても来店しないこと
・本人の自宅や実家を訪れないこと
・最寄り駅を利用しないこと、会社で待ち伏せしないこと
・TwitterやインスタグラムなどSNSやネットに書き込まないこと
・嘘を他の人に訂正すること
・この書類作成費用を相手が負担する
などを書くことがあります。
接近禁止の書類のポイント
こうした書類にはいくつかポイントがあります。
ひとつは事実関係を正確に、詳しく書くことです。単に「浮気した」と書いても、あとから肉体関係はなかった、と言い出すかもしれません。キスだけでも浮気と考える人はいますし、キスだけでは不貞行為とは認められないかもしれません。いつからいつまで、どこで、何回くらい、何をしたか、を書いた方が良いでしょう。ストーカー系も同じで「嫌がらせした」だけではなくて、いつ、どんな行動や発言をしたか、詳細に書いた方が後に役立つかもしれません。
次が違約金についてです。「連絡しない」と書いただけでは、もし連絡しても何がどうなるか不明瞭です。通常は連絡したら違約金を払う、と書くと思います。ただ違約金は難しいです。例えば、連絡したら100万円を払う、は高すぎますよね。また、これを書いた不倫相手ではなく、ご主人から連絡していたらどうでしょう。職場が同じ場合も困難です。違約金は色々と難しいです。
接近禁止の書類だけですべては解決しない
ただ、こうした書類を書かせたら100%解決するかというと、そうではありません。
例えば「不貞行為をしない」と書いても、車の中やオフィスで行為をしていたケースもありました。車の中やオフィスで二人きりになる=不貞行為とは言えません。ラブホテルであれば出入りする写真だけで不貞の証拠になりやすいと言えますが、難しいところです。
同様に口外しない、言いふらさない、ネットに書き込まないなども難しい可能性があります。匿名の手紙が届いたり、第三者を使ったりする可能性もあります。インターネットの書き込みなどは調べるのが大変です。
そしてなにより、相手がこれにサインする義務はない可能性が高いと思います。例えば、不貞行為であれば慰謝料を払う義務があると思います。しかし、また不倫したら違約金を支払う、という書類にサインする義務まではありません。せっかく書類を用意しても、必ずしも相手がサインする、サインしなければならない、とは限りません。
ただ、相手がこの書類にサインするメリットがあればサインする可能性は高くなるかもしれません。例えば慰謝料が安くなる、警察には言わないでくれる、などです。そうしたことも含めて、専門家に相談した方が安心だと思います。
誓約書、契約書、合意書、和解書、念書の違い
書類の種類、呼び方がいっぱいありますよね。
大雑把に説明すると、誓約書や念書は、一方的に書く(書かせる)書類で、相手方だけが署名押印する書類です。例えば、入社誓約書(この会社で頑張って働きます!)などがイメージしやすいと思います。
合意書や和解書は契約書の一種で、お互いに署名押印する書類です。和解書は慰謝料(解決金や和解金)を受け取ったので、これ以上、追加でなにも請求しませんよ、という意味合いが強いと思います。
あくまで個人的な見解ですが、慰謝料など賠償金のやり取りがあるなら和解書、賠償金はないけど双方に義務(○○しませんなど)があるなら合意書、一方的な内容であれば誓約書、というイメージです。
書類作成はお気軽にご相談くださいね
これまで色々なケースの書類を作成してきました。よくある内容であれば、翌日までに完成できると思います。全国どこからでもご相談いただけます。LINEやメールでお気軽にご相談くださいね。
※場合によってはお断りすることがあります。緊急性や危険性が高い場合は警察や弁護士さんにご相談されることをオススメします。